書きたいときしか書かない

文字に触れて落ち着きたくって始めました。2014.04.23

地下が大好き、和幸が大好き。

実家近くのデパートと大型スーパーは

食料品売り場が地下にあります。

私は昔から地下に行くのが嫌いでもあり、

好きでもありました。

ただ買い物に付き合うだけの地下は

猛烈につまらなかったので嫌いでした。

自ら迷子になり、そこら辺をさまよって

寂しくなったら店内放送で

母を呼びつけておりました。

母はとても手を焼いたと思います。

迷子にならないように

無理矢理ショッピングカートの

子供用の椅子に座らせていました。



でも、いつまでもそんなことしてるわけじゃ

ないわけで。

こんな私も次第に地下が

大好きになっていったのでした。


理由は、ふたつあって

そのうちの1つだけ書きます。


伊勢丹のデパ地下には

和幸というカツをあげてるお店があって

皆さんも知ってるかとは思いますが、

カツを作ってるところが

ガラス越しに見えるんですね。

これを見るのが大好きだったんです。

今でも行程を覚えています。

お肉を冷蔵庫からだして、

小麦粉をかるくつけて、

卵にさっと絡めて(卵はよくきる)

ぎゅっとパン粉に押し付けて、

するんと油のなかに入れるのです。

パン粉がなくなったときは

食パンを機械のなかに放り込むとすぐに作れます。

この一連の作業は和幸さんの「揚げ」の基本で

どんなものを作るときでも共通している

技術なのです。まぁこんな感じで

美味しそう3割、作り方7割で観察し、

地下が大好きになりました。




ある時期、母の仕事が忙しくなり

伊勢丹のお総菜にお世話になる日が続きました。

いつものように和幸の揚げる行程を

めいっぱいの背伸びをして眺めながら

買い物が終わるのを待っていたときのことでした。



なんか、中でカツを揚げてる

いつものおじさんが

メンチカツを持ってこちらに向かって

笑いかけてくるのです。

しかもなんか言ってるのです。

聞こえませんが。

その時は純粋だったのでしょうね、

「え?くれるのかな?!」

なんて少しも期待してませんでした。

なのに首をなんとなく縦に振っていたのですが笑

すると厨房から出てきて

メンチカツを、はい!といって

プレゼントしてくれました。

いつもガラス越しに見ていたおじさんの声を

初めて聴いた瞬間でした。

うわっ!喋った!

え、食べてもいいの?

お母さんに怒られるかも

・・・でも、食べちゃう。





油からあがって30秒くらいのカツの

かおりと味と音は

当時4歳だった私には絶対に勝てない誘惑でした。

油から上がってるのにジュワジュワいってて

香ばしい油のかおりがして

衣がたってて、触るとガリガリするんです。



今でも家族でその話をします。

母曰く、誰かに買ったもらったと思ってたみたいです。

しかも、なんか、そのあたりで私を育てる方針が

決まったというか、

うちの娘はこーゆー人間なんだ、というのが

母のなかではっきりしたそうです。



へー、書き疲れました。

デパ地下最近いってないから

また行きたいな。

今度はちゃんと買うよ!