書きたいときしか書かない

文字に触れて落ち着きたくって始めました。2014.04.23

京都を去るときのセトリ


水星/トーフビーツ
恐るべき大人たち/東京事変
secret adventure/meg
キラーボール/ゲスの極み乙女
パラレルスペック/ゲスの極み乙女
丸の内サディスティック/椎名林檎
丸の内サディスティック/東京事変
恐るべき大人たち/東京事変
恐るべき大人たち/東京事変
恐るべき大人たち/東京事変・・・


大学を卒業して、京都を去る日。
夜行バスに乗って京都の街を見ながら泣くと決めていた。
そのときにどんな音楽を聴くのかも決めていた。

東京事変の「恐るべき大人たち」は
大学2年に上がる前、部活を辞めた時に聴いていた曲。
練習場の近くからバスに乗ってキャンパスをどんどん離れていく。そのときの心境が、力強くも名残惜しそうな曲のメロディにぴったりだった。

シチュエーションに合った音楽を聴くと、いつか同じ曲を再び聴いたとき、そのときの記憶を鮮明に思い出すことができる。だから、おセンチになりたいときは「恐るべき大人たち」を聴くことにしている。


夜行バスに乗り込み、窓の外を見ようとしたらカーテンがスナップボタンに止められてぴっちりとしまっていた。

ボタンをひとつだけ外して
カーテンの中に顔を突っ込む。

窓の外にはいつも通りの夜の京都が。
今度京都に来るときは日常の感覚でいられないんだ。京都で生きてることを自覚しないで、学生の感覚でダラダラと京都を無駄遣いすることはもうできないんだ。もうここに、私の帰れる家はないんだ。

乗り込んでから発車するまで聴いていたのは、トーフビーツの水星。


鴨川沿いを走ってるのに座席は鴨川の反対だった。

鴨川には数えきれないくらい思い出がある。

デルタでお月見したのも、
亀の飛び石の上でりんごジュースを飲んだのも、
好きな男の子にハグをされたのも、
女友達と朝まで語って虫さされを増やしたのも、
友達とご飯を食べたのも、
夜中に大声で歌ったのも、
敢えて真冬にダイブしたのも、
あんなのも、
こんなのも。
全部鴨川が舞台だった。

鴨川最後に見たかったけど、
見なくてよかった。
きっと嗚咽がひどくなった。
せっかくの京都とのお別れなのに、
夜行バスに乗っているから思いっきり泣くこともできない。


鴨川のことを考えると
友達や好きだった人のことを思い出す。

私が好きだった彼はちょっとあすぺっぽかった。
かっこ悪くなるくらい彼に執着して、
仲違いしては、また距離が縮まる。
そんなことをお互いに3回くらい繰り返した。
最後は彼に嘘を吐かれて、絶交して終わった。

ベンチに並んでホールケーキにがっついたこともあったし、ウチでチーズフォンデュパーティーもしたことあるけど、今では本当に大っっっ嫌い。

でも、ずっと遠距離恋愛しかしたことなかった私に、恋愛ごっこをさせてくれてありがとう。
京都でドラマチックな恋に落ちちゃう系の小説が多かったから、本当は京都で学生らしい恋をするのに憧れてたの。
いい具合に痛い目も見れて、豊かな人生送れたと思う。本当に感謝してるよ、嫌いだけど。

サブカルな雰囲気があって、
中田ヤスタカが好きだった彼を思い出すときは、ゲスの極み乙女とMEGを聴いた。

これ以上せつなくなったら涙腺ヤバいと思って、これから向かう東京に想いを馳せるという意味で、今度は丸の内サディスティックを再生した。
都会への期待を切ない気分のまま静かに盛り上げる作戦。人生最大の切なさを最後まで味わった。

そうだ、東京の友達にラインしちゃお!

京都の思い出、東京で全部忘れてやるんだから。って強がりしながら帰る女子大生になってみた。







あっというまに、私の知らない道路までバスは走ってしまった。
高速に乗る瞬間なんて見たくなかったから、涙を拭ってカーテンから顔を引っ込めた。

ここからは朝までずっと
恐るべき大人たち。