書きたいときしか書かない

文字に触れて落ち着きたくって始めました。2014.04.23

イキり男の主張はつぶすべき

食堂にて、1年生らしき男の子3人がバンド組もうぜ

といってるところに出くわしました。

 

1人はどうやら相当楽器が弾けそうなそぶりをするのですが

2人はまったくの初心者のようです。

そんな2人に難しい曲を聴かせては

これはベースがかっこいいやろ

これぐらいになれるって、お前らも

と男はイキり倒しているのです。

2人が、激しい曲にどれがベースでどれがギターか

途中で分からなくなると言うと

俺は耳が洗練されているから聞き分けられるけどなぁとぬかします。

耳が洗練されてるってちょっと変じゃない?

どうやらそのイキり男はベースもドラムもできちゃうらしいです。

昔はバンド組んでたしなぁ~とも言っています。

 

2人はそのイキり男をやや尊敬の眼差しで見つめています。

 

そして話はバンドやったらモテるかなぁという話題に移ります。

 

するとまたイキり男がイキります。

モテるで、絶対。と。

モテるで、と

絶対。の間に絶妙な間をもたせてるところが小憎たらしい。まるでモテた経験があるかのような言い方です。見た目はそんなモテるタイプじゃないくせに。

しかし、イキり男にはイキってもいい理由がありました。なんと交際経験があるみたいなのです。

他の2人は彼女などできたことがなく、

かわいい子と付き合いたいなと夢を語りあっています。

かわいくて、でも感じよくて、気取ってなくて

毎日ランチはサンドウィッチ〜っていう子よりも、

コンビニでコロッケ買ってかぶりついてるような子がいいなぁ

(ただし、かわいい子に限る)と。

 

2人もそーとー平和ボケしてます。

まるで漫画の主人公のような女の子ではありませんか。

この話を聞いたイキり男は言います。

だからお前らいつまでたってもドーテーやねんと。


そこそこのデカイ声で言い放ったこともあり、ツレの1人がガタッと立ち上がり私のことを横目でチラッと見やりました。

「声デカイねん。。。」

と言いながら座るイキり男の友達。

いやごめん、なんとなく分かってたし笑。


それにしてもイキり男、いいこと言うじゃんか。もっと言え。とみそ汁をすすりつつ思っていると

 俺の歴代好きな女の子の顔思い浮かべてみろよ!

みんなエェ子やったけどかわいくはないやろ!

とイキり男が言いました。

 

 みそ汁を吹き出しそうになりました。

まず、

「歴代好きな女の子」と言ってる時点で、彼女にできなかった可哀想なイキり男の過去の恋愛遍歴がうかがえる点と、顔で選んだのではなく、性格に惚れたのだと言ったつもりでも、もう少し言い方があるだろうがという点。

 

まぁ、でも、イキり男はさっきからなかなか的を得たことを言います。

要は女は中身だと。

かわいい子がやって成立するものを求めてはいけないと。

身の程をわきまえろ、俺のように。と。

だからいつまでたってもお前らはドーテーやねんと余計な一言を付け足しつつ。

 

イキり男はやはりイキる資格があるように思えました。

そうなのそうなの。萌え袖ふぅふぅは幻想なの。

と共感してしまいました。

 

食堂で人がたくさんいる中、しかも隣に私が座っている中で

ドーテーをばらされた2人はかわいそうですが、

さすがはベースとドラムができて耳が洗練された男といったところでしょう。

 2人のツレはだんまりです。

私もそろそろ食器を返却しようかな、と思った時、ツレの1人が「お前の元カノ見せてみろよ」とイキり男にいいます。

ここで気になってしまい、再び盗み聞き。。。

イキり男はサッとスマホで元カノを見せました。

元カノの画像をすぐに開けるところは少しキモイです。

 実際に元カノの画像が見れない私はツレのリアクションだけが頼り!

頼む、ちゃんとわかりやすく伝えてくれ!


ツレ「なんだかんだ、かわいい子と付き合ってそうだと思ったのに。全然やんけ。」


「お前はまだわかってないのか。ええか、」

 

ここでイきり男が眉をひそめて真剣に語ります。

 

 

「かわいいは、つくれんねん。作れるものは、いづれこわれんねん」

 

それが理解できないうちは例えドーテーを卒業していても

根っからのドーテーであると。

 

真実を言い当てられぎくりとしたところで、濃いめの化粧をしていた私は食器を返却しに行くのであった。


誰か、作られた可愛さでこの男を意のままに操って、めちゃくちゃにしてはくれないだろうか。

 なんか知らないけどコイツを野放しにしてはいけないような気がしてきました。