書きたいときしか書かない

文字に触れて落ち着きたくって始めました。2014.04.23

匠の言い聞かせ方

母と二人で日帰り温泉にいったときの話。

温泉ってお湯にとろみがあるから

子供が滑って転ぶ光景をみるのは

大して珍しくないんだけど

久しぶりに


うっわ、これは痛い。。。


ってくらい盛大に転んだ子供を目にしました。

走っていたわけでもないのに

前のめりに転んで

お腹とほっぺたを地面に

べちん!

打ち付けたのです。

突然すぎて動けなかったのもあるけど、

離れていたので、特に助けるわけでもなく

これは泣くだろうな~。

と思いながらそのまま観察してた。


子供の泣き方はフェードインです。

じわーっと顔を赤くして、

じわーっと顔を歪めはじめて、

びえーっと泣き出す。

じわーの時間は私のデータの上では

およそ2秒。


転んでから1秒くらい経ったとき、
あ、そろそろ泣き叫ぶぞ?!
と思ったら


わー!
よかった!大丈夫だった!
どこも痛くないね!
うん!大丈夫大丈夫!
危なかったねー!
でもよかったね、
だって痛くないんだもんね!

と、数歩先を歩いていたお母さんが

一気にまくしたてながら

転んだままの状態になっている子供を

立ち上がらせ、湯船に誘導したのです。

そのワザはとても鮮やかで

すげぇとしか言いようがなかった。

あれだけ盛大に転んで痛くないはずがないのに

勢いだけで「痛くない、大丈夫」に

引っくり返して子供を泣かせず

更になにごともなかったかのように

お風呂に入れるコンビネーション。

声の大きさや言葉の間、

言い出すタイミング、

なにもかもが計算され尽くされたものに見えた。





言い聞かせることってある意味

催眠術。

痛みをケロっと忘れるんだから。

でも「私は大丈夫」って

落ち込んだとき、ときどき自分に

言い聞かせることはあるけれど、

効果を感じたことはあんまりないなと

思い出した。

落ち込んでからじゃ遅いんだな、きっと。

今度、落ち込みそうなときがきたら

いーや、大丈夫っしょ!
あぶねー!
本格的に病む前に前向きになれたわー。
よかった、鉄のハートの持ち主で。
持たせてくれた神に感謝!センキュー☆

と勢いよく食いぎみに

自分を立ち上がらせてみよう。